響版(SOUNDBOARD)その1

 響版はチェンバロの要であり、弦を弾いた時の音によく反応するように薄い柔らかい板で出来ています。
 厚さ3MM、長さが2メートル弱で幅が1メートル程度の板はキットにありましたが、まずこの板を枠に合わせてぴったりの大きさにしなければなりません。そのため曲面部分は局面用のカンナを使い、ほかの部分にもカンナを掛けて響版を枠にはまるように削ります。但し、枠より1〜2ミリ小さめにしておかないと湿度が高くなると伸びて反り返って割れてしまうことが往々にあるようです。

 
 次に板の1/3程度の部分を削って音によく反応するよう薄くしなければなりません。同じようにカンナを使いますが非常に柔らかい板ですので木目に沿って慎重に少しずつ厚みを測りながら削って行く事になります。ちょっと力が入ると深く削れてしまい、何箇所か後からの修復に苦労しました。もう一つ苦労した事は響版が湿度や温度によって伸び縮みする事です。元々この楽器が製作されたヨーロッパは日本ほど気温や湿度の変化がないのでよいのですが、日本のように季節によって大きく変わる場所では大きな問題です。事実板を削って数ヶ月後で枠に取り付けようとした時に枠にはまらなくなり,もう一度削り直しました。

 響版の裏に張りを数本取り付け、表には弦を張るためのブリッジという桟を張りつけ、最後にローズ(フレミッシュのチェンバロには製作者を示す飾りとして孔を開けその周りを装飾する習わしがある)と言われる丸い孔を開けて完成です。仕上げはサンドペーパーを何度も掛けて表面を滑らかにします。

響版の図(点線の部分を削って薄くする)
ROSE
板に丸い穴を開け、金属の板を張りこむ、ZHとあるのはZこのキットの製作社Zuckermann Harpsicordsのイニシャル